トピックスレポート

EpCAM陽性人工卵巣癌幹細胞を用いた腹膜播種マウスモデル
本原剛志

 今回私たちは、マウス卵巣より単離したEpCAM陽性細胞が、組織幹細胞様の性質を有することを見出し、さらに同細胞集団に対してRNA干渉法を用いた癌抑制遺伝子p53の一時的な発現抑制後、癌遺伝子c-MycおよびK-Rasの導入を行うことで、ヒト上皮性卵巣癌に酷似した卵巣腫瘍の形成能を有する癌幹細胞を人工的に作成することに成功しました。
 私たちが樹立した上皮性卵巣癌幹細胞によるマウスモデルは、癌幹細胞の包括的な理解および、創薬のための実験モデルとしても有用であると考えられます。

Motohara T, Masuko S, Ishimoto T, Yae T, Onishi N, Muraguchi T, Hirao A, Matsuzaki Y, Tashiro H, Katabuchi H, Saya H and Nagano O: Transient depletion of p53 followed by transduction of c-Myc and K-Ras converts ovarian stem-like cells into tumor-initiating cells. Carcinogenesis 2011

図:EpCAM陽性人工卵巣癌幹細胞を用いた腹膜播種マウスモデル