先端医科学研究所 遺伝子制御研究部門について 癌を中心とする難治性疾患の予防・診断・治療に貢献

メダカを用いた癌モデルの確立

松崎 ゆり子

実験動物を用いた癌の研究は、主にマウスなどで様々な癌について行われており、大きな成果を上げてきました。そしてこれらは、今後も癌研究に不可欠な実験系であることはいうまでもありません。しかし、マウスやラットの実験系を用いた場合の難点は実験施設に多大な経費が必要となり、個体あたりの単価も高価であるため、多数の個体を用いた大規模な実験を行うには、主に費用の面で困難を伴いました。そこで私たちが次世代の実験動物として重要視しているのが小型魚類であるメダカです。元々日本を生息地とするメダカは暑い夏と寒い冬に耐えて生育可能であり、環境に対する適応力がすばらしく、実験動物として適しています。近年、メダカの全ゲノム配列が報告され、ヒトやマウスとの遺伝子比較も容易になりましたが、それに加え遺伝子導入や機能阻害の技術も飛躍的に改善され、マウスで行われていた研究のほとんどはメダカでも行うことが可能になりました。

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 私たちはメダカ1細胞期胚に癌遺伝子を導入し、安定に維持され、しかも高頻度で癌を生じる系統の確立を目指しています。現在は癌を生じるいくつかのメダカ系統で癌形成過程を比較すると共に、薬剤スクリーニングへの応用にとりかかっております。